COLUMN
No.51
工務店でいつも、外壁のサイディングやALC版の施工をお願いしていた会社の営業マンのSさんが突然、事務所に来た。
「ご挨拶に」って言いながら封筒を差し出すので、展示会か何かの案内状かと思うと、独立する旨の挨拶状だった。54歳だそうだ。3日前の9月25日に勤めていた会社を退社し、すぐ10月に、とりあえず個人事業で、自宅を拠点として営業するらしい。近いうちに、事務所も構え、法人を設立して活動していきたいとも。
今勤めている会社に対して、特別な不満があるわけでもない。
ただ、60歳の定年後は、今の会社で引き続き雇われたとしても給料は今までの半分になるそうだ。
恥ずかしげもなく今までの給料を教えてくれたのだが、決して多くをもらっている訳ではない金額で、逆に年齢からしたら少なすぎるぐらいの金額だった。
実は、随分と前から独立を考えてはいて、いつかの独立のために、いろんな工事が請けられるように、キャリアを積むために、今までの会社に転職してきたのだそうだ。協力業者さん、仕入先の業者さん、仕事をもらう施工業者さんにもいろいろと相談したらしく、「独立しちゃいなよ」 という後押しもあり、独立を決意したらしい。
私もSさんにはいろいろとお世話になった。大変な無理も聞いてもらった、何度も。
無理を言っても、「何とかしますよ」 と言って、ほんとに何とかしてくれた。 だから、これからもSさんに仕事をお願いしようと思う。無理を聞いてもらえるからではない。頑張って、前を向いている人には、できるだけの協力をしたい。
勤めている会社を辞めたい、辞めたいと思いながら仕事をしている人。会社を辞めるのに、有給休暇を全部消化してから辞める人。辞めた後に、失業給付金をもらうために、就職活動をしているふりをする人。
悪いこっちゃないけど、いろんな考え方があるけど、私はSさんのような人を応援したい。
54歳での独立。
下なんて、後ろなんて、向いていられない、ですよね。
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