COLUMN
No.40
仕事を出す、あるいはもらうという関係が成り立ったとしても、仕事上で立場が「上」とか「下」はないと考えている。
少なくとも私は。
仕事とは、発注者はお金を出す代わりに、そのお金に見合った成果を要求し、受注者は成果を出して、成果に見合った報酬を頂く。ただそれだけ。そこに「上」も「下」もない。
工務店でも、『うちが元請で、あんたら下請け』なんてやっていたら職人さんはついてきてくれない。建築はいろんな職種が「協力」して初めて出来上がるのを、目の当たりにしているから。たとえ『元請だ、下請だ』なんてやってたらもうそれは「協力」ではない。それは「主従の関係」。見なくても出来上がりは知れている。
施主、工務店、設計者、職人は対等なかたちで、お互いの信頼感をもとに「協力」し合ってこそ、いいものが出来上がるし、出来上がったあともその関係は続いていく、と思っている。「協力」の前に、信頼関係がなければ、手放しで一生懸命に頑張れないし、手放しで任せられない。たまに、『仕事出してやってるんだから言う事聞け』、『お前は下請けなんだから、言い値で働け』 なんていう勘違いな輩がいるけれど。
下はそんな輩のはなし。
全国区の大手設計事務所の老人施設の仕事を手伝った。世の中、AutoCADで図面を描けるひとが少ないらしい。知り合いに頼まれたのが始まりで、数年前から年に1回か2回、その程度の付き合いではあったのだが。今回の担当者とは初めてではあったのだが、仕事が終わりに近づくと、前回よりも報酬は少なくなると言い出した。言ってもいないのに 『仕事のはじめに、今回から報酬は安くお願いした、つもりだったのだけど…』。
コメカミに青筋が1本入った。今までの担当者はそんなことは言わなかったし、こちらの仕事を評価してくれて、またお願いしたいとも言ってくれていたので、以前の通りだと思って仕事したのが、つけ込まれた原因だった。注文書と請書を交わさずに仕事を始めてしまったから、こちらのミスと言えばミスだし。この時点で、この担当者は信頼できない、と言うことだけはわかった。
先月末(昨日だけど)、その仕事に対する報酬の入金があるはず、だった。15時過ぎても入金がないので、「?」と思って、その事務所に電話した。経理の女性とのやり取りで、女性は 『確かに請求書を頂いていますが、9月末の支払いを10月末にするように上司から言われています。』 と言う。
コメカミに青筋が3本入った。
冷静を装い、『上司とは名古屋事務所長ですか?』 と聞くと、『はい。』 と言う。大手設計事務所の名古屋所長だろうと、取締役だろうと、社長だろうと、約束事を守れないヤツは小学生以下。大人社会での約束事を自己都合で勝手に変更して、相手方に連絡もよこさない輩は、ある意味犯罪者だな。
所長に電話をつないでもらい 『きちんと期日までに請求書をだして、受取って頂いているのに、入金がないとはどういうことですか?』 というと、『それなら、週明けに入金します。』 との返事。謝罪はない。ガチャンと電話を切って、その会社とも縁が切れた。なんだか、重たい気持ちになった一日だった。
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