COLUMN

No.9
現場道具1 2004/10/13

 私の現場道具のひとつ、墨つぼ。名を「ハンディ墨つぼミニ」という。

 建築用語でいう、「墨出し」に使う道具。赤い本体に糸と墨汁が内蔵されていてぜんまいに糸が巻いてある仕組みで、右端の赤いつまみ(「かるこ」という)には針がついていて、それに糸が結んである。かるこを一点に刺してもう一点まで墨つぼを引っ張ると糸が張る。それをピシッとはじいて墨出しをする。ちなみに現場言葉では「墨を打つ」という。

 墨出しは建築工事の中でも重要な作業。基準墨、逃げ墨、レベル墨、すべての作業の基準線や仕上線を打つ。

 私は自分が管理をする建物は自分で墨出しをする。墨出しは1/1スケールの図面と一緒。現場で納まりを確認しながら、床材を貼る前の床に、壁の位置はここ、建具の枠はここからここまで、排水管の位置はこの範囲内に立ち上げ、などなど。大工さんをはじめ、職人さんは設計者の描いた「図面」を読み取ることが苦手な人が多い。実際の現場に1/1で描いた墨出しの線で話をしたほうがお互いの理解が早いものだ。

  墨出しをした後の数日は手の爪の周りが黒いこともある。決して不潔なわけではない。

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